10月24日(土)16:50より、静岡文化芸術大学講堂にて、「音楽と文学のあわい-小林海都を迎えて」が開催されました。本公演は、日本フランス語フランス文学会2026年度秋季大会のイベントとして企画されたもので、本研究所も後援。同学会会員でもある研究所長安永愛が企画・司会を務めました。学会員の他、地元市民も多数来場し、シューボックス型600席、ヤマハのフルコンサートグランドCFIII設置の極上の音響空間で、小林海都氏のピアノ演奏とスティーブ・コルベイユ氏(聖心女子大学教授)のフランス語朗読を楽しみました。
コンサートではまず音楽をめぐるフランスの詩人・哲学者(マラルメ、ヴァレリー、ジャンケレヴィッチ)のテクストの重厚な朗読ののち、静謐かつ慈愛に満ちたシューベルト作品3曲(「アレグレット」ハ短調、即興曲Op.90-2、Op.90-3)がまず演奏されました。司会のトークを挟み、後半では、「音と香りは夕暮れの大気に漂う」「沈める寺」など詩的・物語的タイトルを持つドビュッシーの前奏曲集からの5作品が取り上げられ、演奏に先立って、ボードレール、ヴェルレーヌ、エルネスト・ルナンなどのテクストが朗読されました。コンサートはワトーの「シテール島への船出」のスクリーン映写ののちに「喜びの島」で締めくくられました。小林氏はアンコールに「亜麻色の髪の乙女」を演奏。舞台に並び立った小林氏とコルベイユ氏に万雷の拍手が送られ、定刻に閉会となりました。

ピアノの演奏と文学作品の朗読を重ね合わせる試みは、皆さんに新鮮に映ったようで、多くの方々からご好評いただき(中には、毎年やってください、との声まで)、企画者としても嬉しく思いました。
今回、リハーサルから小林さんのピアノを舞台袖で聴くことができましたが、その音楽を身に浴びているだけで、清められていくような、そんな思いがしました。また、プロの鍛錬、音楽の追求の果てしなさに敬意を新たにしました。
舞台裏を支えてくださった静岡文化芸術大学の学生スタッフの皆様、ピアノをベストコンディションに整えてくださった調律師の中山慎人さんにも感謝です!
